【広島】アートの旅に行ったので、けなげにディスってみる
遠い知り合いから「アートな旅ツアーあるけど行く?」とお知らせが入りました。
尾道:おのみち、そして百島:ももしまと、最近アートで話題になってる所に行くそうで、魅力的な参加費 (¥0 ) につられて参加しないわけがない。
えひめ出る
↓
「アートベース百島」:なんか島をアートしてる
↓
「尾道 空き家再生プロジェクト」:なんか空き家を再生してる
↓
えひめ帰る
というコースを通して感じた広島の魅力を、盛大に披露したいとおもいます。
1.広島に入ってわかったこと
①泣ける
広島って、「惜しい!広島県」のキャッチコピーで有名なように、自虐的なネタを逆手にとったPRをしてるそうで、すごく泣いていました。以上です。
2.百島でわかったこと
①バスの時刻表が消えてる
現在、日本の地方では少子高齢化が進んでおり、田舎では公共施設や交通インフラも手薄くなっています。バス停は見つけましたが、時刻表はないです。もはやバスが通ってるかどうかすら不明です。
②中学校がつぶれてる
子どもがいなさすぎておばあちゃんとおじいちゃんしかいないのに、こんなことがされてます。
廃校になった中学校を、新しく美術館に見立てて、その建物内外で現代アートの作品が置かれています。港から徒歩で行けるよ。
ガイドさんが出迎えてくれて、ひとつひとつ、作品の説明をしてくださいました。廃墟ではあるんだけど、壁は真っ白になっていて、床もきれいに整備されてて、歩きやすい。
まわった中で、個人的にツボだった作品をひとつ。
ハムスターみたいに、巨大な風車のような箱の中で、車がずっと走り続ける作品で、モーター音がひたすら「ガー」「ガー」って言ってるんですね。
製作当時のアメリカ社会を批判してるらしいのですが、最初は「うわー力強ーいすごーい」しか思いませんでした。
でも、ぼーっと見続けてると、言いたいことがなんとなく分かる気がして。同じ場所でえんえんと機械的に、勇ましく進む姿を見て、「これ、なんのために動いてるんだろう」って。
\・・・/
(この作品のアーティスト情報はこちら)
③自分の島をどうにかするどころか社会変革をめざしてしまっている
百島のアートプロジェクトをよく見ると↑、「アートはより良い社会のために何ができるのか?」と書かれています。ホームページにだってこう書かれていて、
少子高齢化が進む百島において、アートが過疎地に人を呼び込むことだけにとどまらず、社会に向けた提案と変化のために機能することをめざし、アーティストと共に百島が「あしたの島」に生まれ変わるためのアイデアを提示します。(ホームページより)
そうです。自分らの明日があぶないのに、全ての人間の明日を幸せにしたいという、志がめっちゃ高いのです。
だからこそ、みんな百島に惹かれるんだと思います。うちの島うちの島~じゃなくて、「アートとは一体なんなんだ」って核心に迫ってるので、いやな感じがしないんではないでしょうか。こび売ってないというか。
3.尾道でわかったこと
①空き家ばっかり
瀬戸内海のおだやかな海と山々に囲まれた街、尾道。 尾道固有の町並みや建物はそこで営まれてきた暮らしの歴史であり文化です。その中でも特にユニークな環境をもつ山手地区ですが、現在、空洞化と高齢化が進み、空き家が数多く存在しています。 ― http://www.onomichisaisei.com/about.php
人がいません。家はあります。こうしてまちは順調に消えていきます。
それをどうにかするために立ち上がった人々がこちら。
その名も、NPO法人 尾道空き家再生プロジェクト(まんま)
キーワードが「空き家」で、空き家という落ちこぼれを優等生に仕立てあげて、俺たちどこよりも1番のクラスになろうぜという作戦です。
たとえば、シャッター街になってしまった商店街。その空き店舗を、すてきなお店へ次々と変身させ、にぎわうマチを目指しているそう。
②カフェがおかしい
そんなこんなで、商店街内で変身をとげたお店たちですが、一番多かったのが、カフェでした。10個くらいあるかも。かわいらしいものから、老舗、中にはこんな変態度そそられるものも。元銭湯を改造した風呂カフェです。
壁は白いタイルのままらしく、風呂感はんぱない。(外からも見える)
カフェめぐりが好きな女子、尾道わりとおすすめ。カフェだけで半日はいけそう。
③泊まるところまで空き家
旅行となると、格安ゲストハウスが役立ちます。尾道は空き家が多かったため、それを生かした宿が見られます。300日くらいかけて「DIYで作っちゃった (住人談)」ゲストハウスが、すごくおしゃれ。
妙にセンスいいなあ(上から)と思ったら、改造した人、漫画家でした。地方に移住するということ、新しい住み方働き方を見つけることを、提案して実践もして、それ系の本も出していました。漫画家が家をつくる時代こわい。
4.で、気になったこと
丸一日かけて、アートでまちを活性化しようとふんばってる様子を見させてもらいましたが、5つほどひっかかることが。
①カフェ同士で喧嘩しないのか
商店街のなかで一番多かったカフェですが、みなさん似た雰囲気で、どこもナチュラル路線なんです。同業者が狭い範囲に集まってるだけでも喧嘩しそうなのに、雰囲気まで同じとは。客の奪い合いにならないのかなあ。ふたつくらい潰れそう。
それすらも問題にならないくらいに観光客が多いのでしょうか。それともカフェ同士、協力し合ってるのでしょうか。
そうでもない場合は、地元の人がカフェを使いまくってるということになります。住民の毎日の朝ごはんがみんなカフェみたいなね。「観光産業で経済が成り立つ形」じゃなくて、「地域の中で経済がまわる形」になっちゃう。いいかも。
②お寺とは仲いいのか
尾道市の特徴として、カフェ並にお寺がたくさんあります。それも、商店街に沿う形で、ずらっと。
尾道の方々は、「古寺めぐり」と称して、空き家と並んでお寺も推してたのですが、お寺のかたはどう思ってるんだろう。「人いっぱいきたうれしい」で無事おさまってるんだろうか。
それと、お寺巡りは最近どこにでも見られる観光アピールなので、もっとふみこんだ形があると、差別化されておもしろそうです。お坊さんとアートを語ろう!とか。
③お墓が反りかえってるのはなぜなのか(尾道の)
これは個人的に気になる点で、古寺巡りのときに思いました。自分、お墓をたまに眺めるので気づいて、大抵お寺って敷地内に墓地が見られるんですが、なんだかこの日のお寺のお墓、てっぺんがくねって曲がってるんですよね。それも1つじゃなく。
少なくとも愛媛ではあまり見ることないので、びっくりしました。理由が知りたい。誰か詳しい人おしえて。
④みかん県とは仲いいのか
私たちが愛媛からきたことを伝えると、「愛媛かあ。ここに泊まって、この後愛媛にいくんです、っていうお客さん多いよ。しまなみ海道あるし」と、上記の漫画家の方がおっしゃいました。
そう、愛媛県と広島県は、「しまなみ海道」という大きな橋でつながっています。これは普通に「良い点」なのです。本州の人が、広島きて、橋をサイクリングして渡って、愛媛に遊びにくると。
お客さんが流れてしまうようにも見えるかもですし、お互い踏み台になってる気もするかもしれませんが、2人でいれば効果は3倍ということで、まあ、この感じでいいかなと思います。 (適当)
ちなみに、外国の観光客が日本に来たときの王道ルート:東京-京都-大阪を、「ゴールデンルート」と呼ぶのですが、なんか意味わからんのやけど 京都-広島-愛媛が「新・ゴールデンルート」に認定されたそうで、広島のみなさん、これからもよろしくお願いします?
⑤無料で行けたのはなぜか
今回のツアーの企画元は、愛媛県でアートを通じたまちづくりを行っている「SENSE(センス)」さんでした。
広島ツアーの参加費は、実質0円で、必要なのは昼食代(かき食べ放題)のみでした。結構大人数だったので、その往復のバス代・フェリー代、その他もろもろ、マニーはかなりいくと思います。県か市か大学あたりから助成金とかひっぱってるのかな。
予算が出てるってことは、「アート×まちづくり」の流行がまだ勢いあるってことか、ここの活動が評価されてるってことか、地域活性化が切実に日本に求められているってことなんだと思います。
ということで、
過疎化ひろしま、過疎化えひめ、過疎化にっぽん、がんばろうかにっぽん。
* * * * *
■writed by なめこ