観念で止まるな―川に就職した先輩にいろいろ聞いてみる【3/3】
(前エントリ:
【2/3】「ポキッと折れて」―川に就職した先輩にいろいろ聞いてみる)
■「生きるとは?」を考えて中二病になる
なめこ: 道後卒論事件以降、私、自分はどこでどう働きたいんだろう、どう生きていくのかって考えるようになって。まあ、仕事ってなんだろう、なんで仕事するんだろう、何をして生きるんだろうって、考えたりしました。
まつ: それこそ「生きるとは」みたいなね。
なめこ: そう。まつさんは、そこまで考えなかったですか、「生きるとは」。
まつ: それはもうずっと前からよ。ずっと前からひきこもってたから(笑)、存在意義とか、結構考えてた。言うたら中二病的なの。今となってはその経験は良かったんだけど、でも、考えるのってしんどいよね。大事なこととは思うけど。
なめこ: ずっと「生きるとは」って考えてた人が、まさか、運動で働いてるなんて、びっくりですよ。スポーツ好きだったとはおっしゃってましたけど…
まつ: それも、自分の中ではつながってるものがあるかも。whyの部分かな、うまく言語化できないけど、人生の核部分というか。
ラフティングのような運動も、人材育成も、共通してるのが、体を動かすことを通じて、ドキドキすること、ワクワクすることだし、チームプレイだし。自分の中でキーワードは既にあって、それに当てはまってたってのはあるね。バッサリ切られたときに考えてたことも、無駄ではないというか。
あとは単純に、感覚で「これかな」って思った。俺よく「気分」って言葉使うんだけど、気分が反応したから。要はバランスなんだけど、やっぱ悩むじゃん、「生きるとはなんだ?」って。けど、ずっと死ぬまで悩むじゃん。
なめこ: たしかに。
まつ: 観念で止まってたらいけないというか、ほどほどにしなきゃいけないというか。考えるときは考えるけど、考えすぎたら抜け出せなくなる。ほどほどがいい。
なめこ: ほどほどに考えて、動いて、ですかね。
まつ: まあ、単純にさ、考えててもキリないじゃん。死ぬまで考えるんだから、まずは目の前の事に集中するほうが楽。
てかね、たとえ動いていても、絶対考えるじゃんか。考える性格だから。絶対、ふとした瞬間に、「これでいいんだろうか」とかくる瞬間が、自分なりの思考回路があるじゃん。だから、それが分かってるから、とりあえず目の前のことをやる。逆にそれをも考えないくらいの。俺、考えるの苦手だから。
なめこ: うそ、そうなんですか?
まつ: うん、いや、「考えること」は好きだとは思うけど、もっと好きなのは「目の前のこと」かも。
俺登山好きで、結構雪山ものぼるんだけど、そのときに好きな感覚がやっぱ、1歩半くらいの2歩ない幅をちょっとでも踏み外したら落ちるっていう、その感じが好きなんだよ。ギリギリの。
ガチエベレストとかは無理なんだよ、ほどほどの刺激がいいんだけど。あるじゃん、自分なりの刺激というか、リミットのギリギリというか。ビーズでいうギリギリチョップみたいな!
なめこ: 分かんないです。
まつ: ごめん。
なめこ: あとで調べます。
まつ: ギリギリというか、死を感じることで生を感じるってあるじゃん。メメントモリ、死を思えって。それくらいが好き。
まつ: 単純に、生きてる感じがする。昔やってた野球も、自分が打てば勝つ、打てなかったら、チーム全員の思いが負ける、今までがんばってきた想いが負ける。
そういうギリギリなときってすごく緊張するし、逃げ出したくなるけれど、あとから振りかえると、そのときのドキドキ感が好きかな。
なめこ: へえ。
まつ: 俺のテーマが、「言葉にできないような刺激」なんだよね。それこそね、どういう仕事したいかって考えたときに、それを味わってほしい。まだ、そこまで行えるレベルではないけれど。
でも、単純に好きなんだよ。野球も、さっき言ったPA(プロジェクト・アドベンチャー)も、めっちゃおもしろかったんだよね、「これは言葉にできん」って思った。
PAは体験学習と言われるんだけど、「体験」がキーワード。広い意味でいう体験や、そういう言葉に表せないようなものが好き。それこそラフティングとかそうじゃん。激流をバアーっていく。そういう刺激を味わうのが好きだし、それを仕事として提供できたら素敵だなとは思った。そういった意味では、全部つながってんのかなあ。
■ 考えすぎても、仕方ない。
なめこ: まつさんって、意外とアクティブなんですね。もっと真性のひきこもりかと思いました。期待と違う。
まつ: ごめん。元々は元気で爽やかな少年だったから。
なめこ: それでいきましょう。
まつ: 体育会系だったけど、こじらせて、ひきこもりになってね。
なめこ: こじらせた少年だな。
まつ: こじらせて変にぐるぐる考えたんだよね。元が体育会だから、一日運動しまくって疲れて、また運動して、それくらいが自分にはちょうど、性に合う。
逆にそれこそ学生時代は、悩むことは大事だけど、悩みすぎたかな。体動かさないと、変に疲れるじゃん。心地よい疲れを欲してたのかも。原点回帰かな。体育会系に戻ります。
なめこ: バリバリですよね、山と川。
まつ: うん、けどね、想像以上の体育会系だからね、バリバリの。
なめこ: なんやかんや言って相当強いですよね。ほんとにやめちゃう人もいると思うんですよ、厳しすぎると。
まつ: まあまだ免許もとれてないし(インタビュー時点)、どうなるか分からない。やめるかもしれないし。だから、強いかどうかは言えないけど、ひとつ言えるのは、強くならなやっていけないってことだね(笑)
鍛えないといけないし、泳げなかったら苦しいだけじゃん、また水飲んじゃうし。じゃあ鍛えないと。それこそ外圧だよね。坂爪さんのいう、フラれた話と一緒で。鍛えるしかない。
(※坂爪圭吾さん:“いばや通信”を書く強力ブロガー。家を持たない暮らしをしている。きっかけが、同棲していた彼女と別れて家を出たこと。)
俺ね、甘っちょろいの。甘々。英語専攻で5年間いて、英語しゃべれないっていう。TOIECも800とる!とか言ってたけど、何もしてない。カスや。
なめこ: 出た、カス。
まつ: 結局なにもしてなかったんだよね。語学って継続力じゃん、一番苦手なんだよ。口だけあーだ言っててさ。基本甘いから、厳しい環境に身を置きたいってのがあった。ちょっと厳しすぎる感じがあるけど。でもまあそれも、望んだこと。がんばるしかね。
なめこ: なるほど。がんばってください。
まつ: はい。
■・・・ということで
まつさん、貴重なお話を本当にありがとうございました。カスもたくさん出てきておもしろかったです。
特に最後の「動け」あたりは胃が破れました。ゴールデンサークルの要素には含まれていないdoですが、たぶん、その円を描くときのペンなのだと思います。動かぬ者に、ゴールデンサークルを語る資格なし。
次はきっと、高知の山奥で、お会いしましょう。
■ まつさんの働いている職場はこちら。オーストラリア人の社長さんのってます。
(写真はハッピーラフトさんHPより)
■ 最後に、ちゃんと動画も載せておきます。興味ある人は見てね。
02サイモン シネック 優れたリーダーはどうやって行動を促すか - YouTube